12月3日、ロンドン、カドガンホール(Cadogan Hall)で開かれた葉加瀬太郎のクリスマスコンサートに足を運びました。日本で10回弱は行っている葉加瀬のコンサート。ロンドンでもこれで2回目です。
ロンドンでは葉加瀬はこの会場を使うことに決めているようです。900席しかないこじんまりとしたホールなのですが、その分演者と観客との距離が近く、楽器にアンプも不要。生音を聞くのには最も理想的な大きさなのかもしれません。東京では東京国際フォーラムやNHKホールが使われるので、それと比較しての葉加瀬との距離感、信じられない位近いです。
さて、前回初めて行ったのはたしか去年の9月。実は正直なところこの時のコンサートには少しがっかりしたのでした。
観客の90%近くが日本人で、殊更にそれを批判するつもりはありませんが、何となく駐在員やその家族が「ロンドンで有名な葉加瀬太郎がコンサートしているらしい。有名な曲いくつか知っているし、ひとつ行ってみるか」的なノリで来ているように思われて、何だか生ぬるい雰囲気が漂っているような気がしました。そして葉加瀬もそれを察してか否か、何だかその時は日本のそれと比較して気合が入っていないステージのように感じられたのでした。
それに加えて不満だったのは、英国にバイオリンで留学しているという学生にも演奏させたこと。葉加瀬とのバイオリンのデュオセッションがあったのですが、当然といえば当然ではあるものの、葉加瀬との落差が酷い。素人耳にはっきり分かるのです。こちらはお金払って葉加瀬を聞きに来ているのだから、何だかなあという印象でした。
従って今回もそれ程は期待していなかったのですが、良い意味でこれが裏切りに会いました。葉加瀬のバイオリンの魅力いっぱいのステージ、やっぱり葉加瀬やるやん!、といった大満足の2時間。日本でのコンサートツアーから帰国したばかりということでしたが、気力十分、ピアノのMaciej Janas、English Chamber Orchestraの弦楽器メンバー22人を従えての演奏。知名度の高い「エトピリカ」や「情熱大陸」はなかったものの(多くの周囲の日本人はこれに不満そうでしたが)、「春をどうぞ」、往年のJourneyの名曲「Open Arms」、新曲「ひまわり」等盛りだくさんの内容でした。僕は本当に葉加瀬の演奏、そして葉加瀬作曲の楽曲のメロディーラインが大好き。情緒豊かな音楽に、胸の中が温かい気持ちでいっぱいになる、そんな時間を過ごすことができました。音に聞き入り、世界観を感じ、心が昂ぶりました。
コンサート後サイン会があったので、日本では滅多にないチャンスだと思いCDを買って並びました。
僕 「日本でも何度でもコンサートに行っています。今回もロンドンで最後に素晴らしい思い出になりました。大好きです。頑張って下さい、応援しています」
そうたどたどしく言うと、
葉加瀬 「そうですか、ありがとうございます。Thank you」
と返してくれました。たったそれだけですが、何だか嬉しかったなあ。また日本でも定期的に葉加瀬のコンサートには行きます!
話は少しそれますが、新曲のひまわり、NHK朝の連続テレビ小説「てっぱん」の主題歌なのですね。へんてこな振り付けが曲に合わされているようです。何だこれ。
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